40代向け終活の専門家、飯塚浩司です。ご覧いただきありがとうございます。
私は、自己研鑽のために勉強会やセミナーの類に積極的に参加するようにしています。
輝かしい実績を携えて、登壇される講師の方の中には意外にも
「人見知り」
を公言される方が少なくないように思います。
実は私も、人と接することがそれほど好きでも得意でもありません。
そんな私も、会社員時代の20数年間のほとんどを営業職で過ごし、2年間トップセールスであり続けたことがあります。
私がトップセールスになれたのは外部環境による影響もありますが、営業実績と人見知りの関係が気になりましたので、参考になりそうな本と共に思うところを投稿させて頂きます。
結果から逆算するから
人見知りを公言されている「できる人」の営業に対する姿勢を伺っていると、
どれだけ少ない人との接点で、成果をあげられるかをまず考えた。
という意味合いの話を共通してされていました。
営業マンが目標数字に対してする行動はこんな感じでしょうか。
現状と目標とのギャップの把握(P)→問題の抽出と方策の策定(D)
→方策の実施(C)→歯止め(A)
問題を抽出して方策を策定するプロセスでは、売上UP効果の高そうな方策を考えていくのですが、その際に期間や予算などの「しばり」を明確にしておくほど、方策は具体的になります。
人見知りを公言されている「できる」方々は、このしばりに「人との接点を少なく」という項目を明確に条件付けしているのだと思います。なので、とるべき方策がより具体的になり、結果が出せるのでしょう。
さらに、「人と話したくない。でも成績は上げないといけない。」
という2つの条件下で成績を上げる方法を一生懸命考えて活動していくことで、「自分だけの型」のようなものが出来ていくのではないでしょうか。一度「自分だけの型」が出来上がってしまえば、あとは適宣修正をすればよい状態になるので、継続して結果を出せるようになるはずです。
私自身も営業時代、「お客様をまわれ」と上司には言われながら、こちらから話に行かなくても済む方法を常に考えていました。上司の考えは、接触頻度が多いほど親しくなれる(ザイオンス効果)。そして親しくなれば買ってもらえるようになる。だから訪問して来いという理屈でしたが、そもそもの仮説をうたがっていたこともあります。
お客様を訪問するのは手段の1つです。別に訪問しなくても、目的である「お客様に買ってもらう」という結果が一緒ならば良いわけですから、
「各種案内はメールで迅速にする。」「お客様が困った時に迅速に対応する。」
などを私は徹底して、お客様に信頼して頂くことで必要以上に顔をみせなくても売り上げがあがる流れを作るようにしていました。むしろ、「顔を見せるためだけ」。「注文につながる情報を聞くためだけ」。「注文のお願いをするためだけ」。に頻繁にお客様を訪問して、相手の時間を頂く事が申し訳ない事だとすら考えていました。
・・・そんな事を考えていたのも、売上目標未達で上司との接点を増やしたくない(怒られたくない)からですが、訪問も管理項目にされていたので結局いつも怒られていました。
結果を出すまでのプロセスを書いた本はたくさんありますが、この本は現状の全体像と問題点を把握するのに役に立つと思います。
共感を得やすいから
「そもそも人見知りなのになんで営業なんかやってるの?」という疑問もあるかと思います。
私自身のことを申し上げると、就職活動をしていた頃に自分の強みと言えるものを客観的に認識することなく、採用数が多いからという理由で営業職で就職しました。そして入社してからお客様や上司とのコミュニケーションの難しさを知り、そこで初めて「人見知り」を認識しました。
私と同じような経緯で営業職に就かれている方は一定数いると思ってます。また周りに高圧的な人がたくさんいるような環境で仕事をし続けられている方などで、それまで対人関係に苦手意識が無かった人が、人見知り化するケースもあると思っています。
自分のことを「人見知り」だとは思っていない人でも、人間関係に全く悩んでいない人は少ないのではないでしょうか
人見知りを公言することでこれらの「隠れ人見知り」の方々の共感を得ることができます。共感を得られれば仲間意識から困った時に応援してもらえます。いくら人見知りと言っても一人で仕事を進める事は出来ません。人見知りを公言されている「できる人」はガツガツまわりにお願いする事無く、結果を出すための応援を得ていることになります。
知識武装しようと結構いろいろ読みましたが、定番本がやっぱり基本的なことが網羅されてる気がします。
課題の分離がしやすいから
人見知りを公言されている「できる人」は人見知りのラベルを自分で貼っています。アドラー心理学を題材とした「嫌われる勇気」の中では、人の悩みはすべて対人関係から生じる。とされています。自らを人見知りと定義してアナウンスしてしまえば、不必要な対人関係から距離を置くことができます。
さらには、なにかしら心に劣等感などが生じてしまった際も、自分の立ち位置を明確にしているため、大きく長く動揺することも少なくなる気がします。
メンバーシップ型と言われる人間関係重視の社会で、自分のジョブ(専念するべき仕事)に集中しやすい状況を作り出せるので、人見知りを公言されている「できる人」は結果が出せるといったこともあるように思います。
心理学だけでなく脳科学の本まで読み漁りましたが、この本はかなり本質ついてますね。実践できるかは別として。
面倒でもストレスでも、「やる」ことが前提
売上は顧客の悩みを解決する事への対価です。
「相手の気持ちを考えすぎてしまうから」とか「相手に相談されたら断れないから」
といった要素が「人見知り」さんにはあると思いますので、その時点でもうかなり結果を出せる側にいるように感じます。
ただ、結果を出すことより、人との接点を減らす事ばかりに集中してしまう人や、人見知りのラベリングを盾にして行動しなければ当たり前ですが結果は出せません。
人見知りを公言されている「できる人」には、人と関わりたくないという気持ちを最低限我慢して、出さなけれないけない結果にコミットする忍耐力や適応力があるからこそ、結果が出せているのでしょう。
ケリー・マクゴニガルさんのスタンフォードのシリーズの2冊目?ストレスを俯瞰で見つめ味方につけるという考えは、他の本ではあまり出てこないので参考になります。
結果は出せても出世出来ない人が多い?
錯覚資産という言葉を最近知りました。役職や人に自慢できるような実績がある人、またはそう見せるのが上手い人は、その権威性自体が資産になるというものです。
たとえばですが能力がほぼ一緒な2人がいたとて、1人が自慢できるような実績や肩書をもっていたら、おそらく持っていない人より注目されます。注目された方の人には必然的に情報やオファーが入りやすくなり、それがまた新たな実績や肩書を作り出していきます。それが雪だるま式に大きくなっていくと、能力がほぼ一緒の2人には、能力の差とは大きくかけ離れた差がついてしまうのです。
・・・私が冒頭に賞状だしたのも錯覚して頂くためです。
出世を望むなら、自分を外部に向けてプロモーションしていく必要があります。
昔、事業整理で良く聞いたフレーズですが、
2番ではだめなんです
人見知りの方は、人との不要な接触を嫌うので社内営業は苦手だと思います。私が勤めていた会社でも、仕事は出来るが組織に上手く使われてしまっている「器用貧乏」な立場にいる人は、だいたい人見知りだった気がします。
この投稿で人見知りを公言されている「できる人」のモデルは数人いらっしゃいます。いずれも会社勤めが嫌で自分で起業されて成功されている方です。錯覚資産のせいで実力程の評価が出なかったことが起業の原因かどうかは不明ですが、機会があれば伺ってみたいものです。
まとめ
人見知りが、結果を出すには、
- 人との接点が少なくても、結果が出せる方法を確立する
- 人見知りを武器にして周りを味方につける
- 他人の評価にいちいち動揺しないで済む環境を作る
- 結果にはコミットする
- 出世したいなら社内営業まで営業の仕事だと定義する
もし現在の人間関係が辛いのであれば、もちろん無理して営業を続ける必要はないでしょうし、転職や起業などで働く環境をかえることを検討しても良いでしょう。
人見知りで営業が嫌いな私ですが、退職後は自分のビジネスを広げていくために、会社員時代よりも人にお会い営する機会を意図的に増やしています。
今の所、ある程度お付き合いする人はこちらで選ぶことができているので、そこまでのストレスはありませんが、社会で生きていく上で人との接触をゼロにするというのは、少なくとも私には難しそうです。
だからといって今から「自分開放セミナー」みたいなものに参加する気はありませんので「人見知り」と、どううまく折り合いをつけながら、これから成果が残せるようにやっていけるかを考える毎日です。
ビジネスマンなら人見知りで無くても読んでおいた方が良いと思う本を最後にお勧めしておきます。私は、同じジャンルでもたくさんの違う本を読みたがる人ですが、ビジネス本で繰り返し読んだ数少ない1冊です。
こんな事をもっと考えてたら会社辞めなかった?
・・・辞めたな。