40代の子供が親に終活をして欲しい理由

終活

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 どうも「40代の終活専門家」の飯塚浩司です。ご覧いただきありがとうございます。

 私は母を83歳で急に亡くしました。その時の経験から終活は早いうちに始める方が良い事に気付き、40代から始めることが終活のメリットを最大化できると考えています。なので40代の方に向けての発信がメインなのですが、その40代の方々から

「自分のことよりも親の終活の方が気になる」

と言う話を多く頂きます。

 また、親に対して終活の話を切り出しずらいという話も頂きますので、親に死なれた45才の子供の目線で、親に終活をして欲しい理由を投稿させて頂きます。

子供は親の人生を知らない

 自分のことで考えてみてください。親の生い立ちを知っていますか?親の友達を何人知っていますか?趣味を覚えていますか?

 親は子供を育てますので、少なくとも手を離れるまでの子供の事に関しては把握していることが多いと思います。しかし子供にとっての親はそうではありません。生まれた時から「居て当たり前」の存在なので、子供が親のことを意識して関心を寄せる事はまれです。だから自分が生まれる前の親の事など知りませんし、子供に見せていない世界でどんな人生を歩んできたかもわかりません。

 少し寂しいかもしれませんが、そんなものなんです。だから、1人の人間として生きた軌跡は残される人達に書き記しておくべきです。またこの準備をしておかないと、実際に親が亡くなった後に、葬儀の案内や戸籍を取得して回る子供がすごく困ります。あなたの人生を伝えるためにも、残される子供の為にも準備はしておいて欲しいです。

子供は自分のことが忙しい

 いざという時に残される子供の方にも、もちろん自分の生活があります。それが40代にもなってくると、仕事や家庭で果たすべき責任が重くなってきています。親が亡くなった後は葬儀の準備から、お墓、役所や保険の手続き、相続等、期限内にしなければならないことがたくさんあります。しかも平日にしなければならないことがほとんどです。サラリーマンの忌引休暇は1週間ほどなので、まず終わりません。親が死ぬことに慣れている子供はいませんから、実際に手続きをし始めてからやっと仕事や家庭に支障が出る事に気付きます。そこで困ること自体が予想外なのに、準備ができておらず全て一から調べなければいけなかったら、そのストレスや損失は如何ばかりでしょうか?

 親の死後の面倒は子供がみて当然と思うかもしれませんが、少しでも子や孫のことを思う気持ちがあるなら、準備は親の方でしておいて欲しいのです。

親はいつまでも元気だという思い込み

 子供は小さい頃から親を見て育つので、親のことを「強い大人」として多少なり神格化する傾向があります。子供が大人になると、そこにさらに親に長生きしてほしいと言った情緒的な願いも加わりますので、実家に帰れば親はいつでもそこで元気にしているものだと勘違いし(思い込み)がちです。なので子供は親の終活をぼんやり心配する事はあっても、強く促したり代わりに準備してくれるといった事はまれです。

 親が自分で終活の大切さに気付き準備をしないかぎり、いざ「万が一のこと」が起こるその時まで、必要な準備がされることは無いと思ってください。

どうせなら親に悔いなく生きて欲しい

 母は私の手が離れてから死ぬ数日前まで、旅行や歌、家庭菜園などの趣味を楽しんでいました。第2の人生を謳歌し、ポックリ死ねたので本人にしたら幸せだったのかもしれません。

・・・残された家族はめちゃくちゃ困りましたが。

 一方、定年後これといった趣味もなく、身の回りの一切を母親に任せていた父親は、母が亡くなって初めて

「もっと旅行しておくんだった」・「自分で身の回りのことを整理しておくんだった」

などと後悔をしています。しかし母はもういませんし、体力的にも今からできることは限られています。

 「終活」は残される家族のための準備と思われがちです。もちろんそれもすごく大事なのですが、自分に残された人生をよりよく生きるための準備でもあります。残された人生を楽しむために元気なうちに終活を終わらせてほしいのです。

できれば65歳までに

死をリアルに意識すると思考は停止する

 現在、終活を始める人の4割は60代です。私は終活のマストアイテムであるエンディングノートを40代で書く重要性を発信していますが、なかなか重要性に気づいてもらえません。健康な40代の方は、死をリアルなものとして意識できないからです。健康な時に病院に検診に行かないのと同じ理由だと思います。

 これが逆に死をリアルに意識できるようになると、その現実から逃げてしまう人が多いようです。死ぬなんて縁起でもないと怒りだしたり、部屋のものを捨てる事さえできなくなってしまう方もいらっしゃいます。最近母をなくした79歳の父も、「楽しかった」昭和の時代に何かと逃げ込もうとしているのがわかります。

 60代という「人生の終わりとの距離」が、終活の重要性を受け入れられる最期のチャンスだと思って欲しい位です。

そもそも手が動かない

 79歳の私の父は、母の生命保険の請求書に署名するだけで苦労していました。もちろん個人差はあるでしょうが、後回しにしておいて「いざ終活を始めよう」と思った時には手足が思うように動かない、判断がおぼつかないなんてこともありえます。

 それではエンディングノートを書くことも、身の周りのものを整理することもできません。

寿命と健康寿命のギャップ

 「長寿大国」と呼ばれる日本ですが、平均寿命と自立した生活を送れる健康寿命とは違います。平均寿命は男女とも80歳を超えてきましたが、健康寿命については男性が72歳、女性が75歳といずれも70代です。平均寿命とのギャップは男性で9年、女性で12年ほどあります。

 この期間は子供などの家族に面倒を見てもらわないといけません。60代は「まだ」ではなく「もう」の世代なのです。

まとめ

 最近でこそ国を挙げて、貯蓄から投資へとといった「お金」に関心を持たせるような発信や、年金受給年齢の繰り下げなどの「死」を意識せざるを得ないニュースを頻繁に耳にするようになりました。

 しかし、今65歳以上の世代の方は、

「お金は汚いものだから話題に出すものじゃない」

「言霊が宿るから死ぬなんて言っちゃいけない」

と教えられて育ってきた方が多いのでは無いでしょうか?

 もしそうであるなら、子供は親の考え方に影響を受けながら育ちますので、親に対して終活を促すのは大変心理的なハードルが高い物になっています。子供は後で自分が困るとわかっていても強くそれを親に言えないものなのです。なのでできれば自分から、もし子供が勇気を出して話をしてくれたなら喜んで残される家族の為に、「早く」準備をしてあげてください。子供が45才だろうが50才だろうが、いくつになっても子供にとって

「大きな背中のお父さん」・「やさしいお母さん」

でいてあげてください。

 そして自分の残りの人生を、是非豊かに「生き切って」ください。

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