どうも、こぼすけです。ご覧頂き、ありがとうございます。
先日、「終活」についてお客様と話をしていた際に、
「海外に終活という概念はあるの?」
という事を聞かれました。
「日本人の葬式はナゾだ」なんていう葬儀会社のCMも最近TVで放送されており、気になりましたので、勉強の為投稿させて頂きます。
・・・欧米の一般論として投稿しています。
終活という概念
そもそも終活という言葉は 、2009年「週刊朝日」で現代終活事情という記事で取り上げられ、その後2011年にユーキャン流行語大賞にノミネートされた日本独自のものです。
・・・「婚活」とか「○○活」という言葉がはやった年です。
「人生の終わりのための活動」の略で、
人間が自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備や、そこに向けた人生の総括をすることを言います。
終活は
「人生の終わりを迎えるにあたり、最後まで幸せな人生を送る活動」と
「人生の終わりを迎えるにあたり、残された家族に迷惑をかけないための活動」
に分けられると思います。
「最後まで幸せな人生を送る」活動例は、家族や友人と旅行や趣味に費やす活動です。
「定年を迎える」とか「子供が手をはなれる」といった人生の節目を迎えてからやっと、旅行や休暇の予定を考えるようになるのが一般的な今の日本のシニア層の考え方でしょう。
欧米では現役世代の頃から、家族とすごす事を生活の根幹に置いて、長期休暇を取得するために一生懸命働くといった風潮があるようです。幸せな人生を送る事は常に考えていることなので、人生の終わりを迎える際に「やっと」考える事では無いようです。
「残された家族に迷惑をかけないため」の活動例は、介護や尊厳死、葬儀などの希望。財産整理や相続の指示。あとは「断捨離」といったモノの整理などです。こちらも日本の終活とは違ったもののようです。
介護・尊厳死・葬儀などの希望
介護
核家族化が進み家族間や近隣とのつながりが少なくなっている日本とは違い、欧米では家族やコミュニティで介護がされるのがより一般的なようです。さらに、介護保険の整っていないアメリカは別ですが(その分、自己責任という意識は強いみたいです)、北欧をはじめとするヨーロッパの国々では、国による法整備も進んでいます。
・・・日本がお手本にしているのは状況が似ているドイツの制度です
なので子供に迷惑を掛けないようにと、自分で時間とお金をかけて準備する必要性が日本と比較すると少なそうです。
尊厳死
尊厳死に対する考え方も、日本と諸外国ではかなり考え方が異なります。
日本では、法整備が遅れているため、患者が冷静に判断できる状態のときに延命医療を望まないと書面に書き残しておいても、いざ延命治療を中止すると罪に問われる可能性があります。
いっぽう欧米では、かなりの国で尊厳死を法律で定めています。例えば、アメリカやイギリスでは患者に十分な説明を行い、患者が冷静に判断を行いそして医療を望まないとして医師に明確な意思を示していれば、延命治療を行うことが傷害罪となることにもなります。
日本と比べて欧米は、宗教上の理由で戦争が起きるくらい信仰に厚いです。尊厳死に対する考え方も、信仰にもとづく死生観から来ているようです。なので、日本の様に元気なうちに「いざという時」への備えをして周囲に申し伝えておかなくても、それぞれの国の法律や信仰する宗派において判断されるので、あらかじめ準備する必要は少なそうです。
葬儀
日本では、一般的な仏式の葬儀を行うのにしても、予算にはじまり、何人くらい参列するか、祭壇をどれにするのかなど、限られた時間の中にもかかわらず、細かく打ち合わせをして葬儀に臨んでいきます。
欧米、特にキリスト教圏では葬儀方法が決められて自由に葬儀を行うことはありません。
尊厳死に対する考え方同様、葬儀プランがすでに宗派によって決まっている諸外国では、日本のように準備をしておく必要がこれまたなさそうです。
財産整理や相続の指示
日本では「子供に迷惑をかけたくないから」と遺言書やエンディングノートをみずから書くひとがいる一方で、親子間で子供は遺言書やエンディングノートを書いてほしくても、親のほうが「縁起でもない」と敬遠するケースも多いようです。
契約社会で訴訟が日常的に発生する欧米では、感情論を抜きにして、個人でしっかり遺言書を用意しておく必要があるようです。遺言執行はしっかりとした制度となっています。
こまかく財産分与などを記しておかなければ、死後に裁判となり、公的機関が入り財産を分配することもあることから生前にしっかりと用意しておく必要があるのです。
モノの整理
モノに関しても、欧米では遺言書に遺品を誰に渡すか細かく記載されているようです。大切なものは遺品として、誰かに託したいという気持ちが日本人よりも大きいようです。
同じモノでも、長年ため込んだ持ちものに対しては、家族が後で困らないよう、そして自分も物質から解放された自由な晩年を謳歌できるよう、「断捨離」するといった終活手法が、海外でも実施され始めているようです。
まとめ
世界的に高齢化は進み2050年には65歳以上の世界人口が約16億人(全体の約6分の1)になるとも予測されています。
宗教的な規範が日常生活に根付いているとされる欧米でも、最近では核家族化が進んでいます。それに伴い、宗教も形骸化しつつあることから日本の「終活」を取り入れる人たちもいるようです。
日本では、クリスマスを祝い、年末にはお寺にお墓参りしてから、年明けに初詣に神社にいくといったような宗教観が一般的ではないでしょうか。
欧米のように人生の最期に対する規範が整備されていない日本では、
今後ますます「終活」は必要
になってこようかと思います。
エンディングノートで深く自分を見つめなおしたり、自分らしい葬儀の希望を伝えたり、生前整理をしていらないものを処分したりといった「終活」という活動が、松下幸之助さんの「水道哲学」のように広く世の中に行き渡るといいなと思います。
・・・「欧米かっ!」をはさみたかったのに、「まじめかっ!」な投稿になってしまった。