これからお墓は必要?多様化する供養の形

終活

どうも40代の終活専門家の飯塚浩司です。ご覧いただきありがとうございます。

終活の相談で、

「お墓を買うかどうか?」といったことや「自分たちの世代で墓じまいをしようかと考えている」

といった相談を頂きます。私なりに思う所を書いてみましたので投稿させて頂きます。

そもそも供養とは?

Wikipediaから引用させて頂きますと、供養とはサンスクリット語のプージャーまたはpūjanā(プージャナー)の訳で、仏、菩薩、諸天などに香、華、燈明、飲食などの供物を真心から捧げること。

日本の民間信仰では、死者・祖先に対する追善供養のことを特に供養ということが多い。

とあります。

「追善」とは、故人の冥福を祈るとその善行が故人の善行となり、自分にかえってくるという功徳のことです。一般的に供養という言葉から想像するのはこちらの追善供養の方でしょう。

これから派生して、仏教と関係なく死者を弔うことを広く供養と呼ぶようになり、動物等に対する供養、さらには針供養や人形供養のように生き物でない道具等にまで派生していきました。

お墓の歴史

現在の一般的なお墓は、昭和23年に施行された「墓地、埋葬等に関する法律」をもとに、昭和30年代の高度経済成長期に一般化したものです。我々の世代では生まれた時からあったものなので、昔昔からこうだったんだろうと思っていましたが、祖父母の世代にできた慣習だと思うと比較的新しいものだと思えてきます。地方から移ってきた方が、住宅を購入したエリアにお墓を建てるようになったため、お墓の総数も増えました。

当時の時代背景にはマッチしていたかもしれないこのお墓の様式も、孫にあたる我々の世代にとっては、少し不便なものになっているように思います。

これからお墓の購入を検討するにしても、利便性の高い墓地は価格が随分と高い物になっていたりして、お墓を残すことが有効なお金の使い道なのか疑問に思います。また、お墓があることで自分の子供や孫が、維持管理のためにお墓がある土地にしばられることも、今の時代にはリスクでしょう。

様々な供養の形

現在、お墓に掛かるお金の平均は、墓石の費用と墓地の永代使用料の合計で200万円程と言われています。

これに加え、年に数千円程度の管理費用、さらに寺院墓地ですと入檀料やお布施が数十万単位でかかってきます。

これだけの費用をかけてお墓を建てたのに、管理ができなくてわずか数年で墓じまいをするなどという話も聞きます。墓じまいをするのにも㎡あたり10万円程度の費用がかかりますし、申請なども必要です。

そんな背景もあり、お墓以外の供養方法をとられる方が増えており、それに伴い供養の方法のバリエーションも増えてきています。

主な供養方法と相場感は以下です。

  • 【寺院墓地】               200万円
  • 【公(民)営墓地】            200万円
  • 【納骨堂】             30~200万円
  • 【永代供養墓】                3万円~
  • 【海洋散骨】              5~50万円
  • 【樹木葬】             30~200万円
  • 【その他】 宇宙葬、バルーン葬、他      20万円~

費用面での優位性もありますが、「残される人達に迷惑をかけたくない」という理由から、最近は樹木葬や海洋散骨などを希望する方が増えているように思います。

さらに、「遠くのお墓ではなくすぐ近くで供養してほしい」との思いから手元供養を希望される方も多いです。手元供養もお地蔵さんのような像の中に遺骨の1部を納める物や、遺骨自体からダイヤモンドを生成して、アクセサリーとして使用するようなものまで選択肢も色々です。

故人の冥福を祈る事が供養なのですから、上記の様な供養方法は理にかなっているように思います。

なので、「死んだらお墓に入らなくてはいけない」といった今の常識は、ひょっとすると私たちの孫の世代には無くなっているかもしれません。

家族の意思も考えて

ここまでお墓以外の供養方法の話ばかりをしてきましたが、お墓を否定しているわけではありません。

盆暮れや故人の命日にお墓参りをすることは、定期的に自分を見つめ直す良い機会になったりします。

故人や先祖への感謝をとおして「家族と自分」、「社会と自分」との関係を考えることが出来ます。スピリチュアルな部分も含め、お墓参りや墓守を浄化や目標達成のための儀式」と考えて、そこに価値を見出せるなら、お墓は価値のあるものになると思います。

子供のことを考えて墓じまいを検討される方が多いですが、夫婦間だけで墓じまいをしてしまい、墓守をすることを好意的に考えていた子供との関係がかえって悪くなってしまったなんて話もあります。

大事なことは何か?

多くの場合「どんな供養方法にするか?」ということは手段であって目的ではないように思います。大切なのは、自分が亡くなった後に残された人達にどうして欲しいか?また残されることになるであろう大切な人達は、自分が亡くなった後どうしたいか?この部分をきちんと話し合ってから、手段である供養方法を検討すべきだと思います。

とはいえ、何の準備もせずに亡くなると残された側は、従来の慣習以外のことはしずらいものです。供養方法や供養に使うお金などに希望があるのでしたら、エンディングノートを残すなど事前に残される家族に向けて意思表示をしておくべきでしょう。

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