40代。マルチステージの人生設計に終活を

終活

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40代向け終活の専門家、飯塚浩司です。ご覧いただきありがとうございます。

まだまだ「定年後」にすることというイメージのある終活ですが、今「定年」という考え方自体が危うくなってきていたりします。
私が40代にこそ終活をして欲しいと考える理由の1つに、マルチステージというライフステージの考え方があります。ライフシフトという本に書かれているのですが、今までの制度では人生100年時代に対応する事は難しいので、長く生きることを想定して人生設計をするべきだと書かれています。


このマルチステージという考え方は、40代の方が終活を始める動機付けになるものだと思いますので、私なりの解釈を投稿させていただきます

ライフシフト

・・・続編も出てます

ライフシフト2

長寿化がもたらす人生設計の変化

現在の日本人の平均寿命は男性が82歳、女性が87歳ほどです。
寿命は伸び続けていますが、現在の社会制度の基礎となる部分は平均寿命がまだ60歳程度だった1950~60年あたりに作られたものです 。

なので現行の制度では、長く生きるというライフスタイルの変化についていけなくなっており、定年の引き上げや年金受給の繰り下げなどが行われているわけです。

現行の制度に基づいたライフサイクルと、長く生きることを前提としたライフサイクルは以下の様な感じです。

3ステージ

サザエさんの波平さんを思い浮かべてください。サザエさんの舞台は1950年代、波平さんは54歳です。
この頃の定年は55歳、平均寿命は58歳です。波平さんが平均的な人生を送るとすると、来年定年して3年ほど悠々自適の生活を送り寿命を迎えることになります。

  1. 20年程度学習をして身につけた知識をもって就職し
  2. 身につけた知識を活かして40年程度働いて
  3. 蓄えた資産を切り崩しながら余生を送る

現在もまだ一般的といえる、このライフスタイルをライフシフトの本の中では「3ステージ」の人生というふうに表現しています。

マルチステージ

波平さんとの比較で2021年現在の54歳を調べてみると、少年隊の東山さんが54歳でした。
まだまだバク転もできそうな東山さんと波平さんとの比較は少々極端かもしれませんが、平均寿命を考えると現在54歳の会社員の方は、60~65歳まで働いて定年して後に、まだ20年程の余生が残っていることになります。

波平さんの時代なら、3ステージのライフスタイルの3番目「蓄えた資産を切り崩しながら余生を送る 」期間が5年程度で済みましたが、20年もあるとなるとお金が不足する心配がでてきます。

じゃあ 3ステージのライフスタイルの2番目 「 身につけた知識を活かして40年程度働いて 」の、働く期間を延ばそうと考えるのが普通ですが、今度は就職前に身につけた知識では長くなる就労期間に対応できなくなるという問題が出てきます。

そこでライフシフトは「マルチステージ」というライフスタイルを提唱しています。20歳前後で社会に出てからは会社勤め、フリーランス、学び直し、副業・兼業、起業、ボランティア…など、さまざまなステージを並行・移行しながら自分の人生を生涯にわたり主体的に決めながら送っていくというものです。

今後この「マルチステージ」の考え方は、資産形成の上でもキャリア形成の上でも、必要性が増していくと思われます。

・・・波平さんは何年経っても54歳のままですし、東山さんは何歳になっても少年のままなので、マルチステージへの移行の必要は無いかもしれません

マルチステージの必要性 ~お金~

定年後は現役時代の蓄えと年金で生活するというのが現在の慣習ですから「3ステージ」のライフスタイルでは寿命が伸びる程蓄えておくべき金額は大きくなります。

波平さんの頃は、40年かけて蓄えた貯蓄を5年程で切り崩せばよかったわけですから、就職先で頑張って定年まで働くというシンプルな目標に従えば、大きな不自由をすることなく人生を終えることができました。


ところが現在の現役世代は90歳まで生きることを想定しなければいけません。「3ステージ」のライフスタイルを送るとすると、45年の就労期間で定年後25年分の貯蓄をしなければいけないことになります。
年金などを加味せずざっくりと計算すると、2年で老後の1年分の蓄えを現在の生活費の他にしていかなければいけないことになります。

夫婦2人で老後生活を送るうえで必要だと言われている最低日常生活費の平均額は270万円程度なのでかなり大変な作業です。

なので「3ステージ」の考え方に縛られずに、働き続ける事や人生の途中で副業をしたり投資をしたりといった、長くお金を稼ぐための方法を考え、実践していかなくてはならなくなってくるはずです。

マルチステージの必要性 ~キャリア~

長寿化は公的年金の財源にも影響を及ぼします。日本の場合は少子化も進んでいるので深刻です。なので国を挙げて70歳までの継続雇用の努力目標や年金受給年齢の繰り下げなどの制度の改正で、「3ステージ」の2番目である働く期間を長くしようとしています。

働く期間が延びると体力的な衰えもありますが、仕事をするために必要な知的資産も枯渇してくるとライフシフトには書かれています。

実際、情報量はここ10年で530倍。しかもその90%は直近の2年ほどで増加していると言われています。
ビジネス環境においても新しい技術が次々と導入され、DX やジョブ型雇用などといった最近の風潮がコロナ禍で普及のスピードを速めています
高校なり大学なりまでで蓄えた知識だけで、キャリアを最後まで全うすることはもはや不可能でしょう。

マルチステージ時代のステージ移行の準備は終活で

これまでの「3ステージ」の人生では、20年程の教育を受けて卒業という駅に着くと、就職という次の電車が当たり前のように待っていてキャリアの終点まで連れて行ってくれました。そして定年という終着駅に着いたら、厚い社会保障と蓄えに支えられながら少しの余生を楽しみ人生を終えることができました。

しかしこれからは、人生の全工程を自分で乗り継ぎ駅や時間を確認しながら、終着点を目指さなければいけなくなってきます 。今乗っている電車では終点にたどり着けないかもしれませんし、辿り着いた終点は思い描いていたものと大きく違うものかもしれません。

現在、定年がすでに視野に入っている世代は「3ステージ」のライフステージのままで逃げ切れるかもしれません。逆に、20代前後のこれから働き始める世代は「マルチステージ」の人生を送らなければならないだろうと考えている人が多いようです。

40代は「3ステージ」から「マルチステージ」への転換期の世代です。「3ステージ」の価値観のまま電車に乗っていたら、望む終点までたどり着けないなんて可能性も大いにありそうなのですが、日々忙しく現状を俯瞰で見る機会がないのではないでしょうか?

まだ選択肢も多く残っていて、たどり着きたい終点にむけて軌道修正する時間もある40代のうちに、今自分がどういう状況にいて、たどり着きたい終着点にきちんと向かっているのかを確認することはとても大切です。

そのためには人生のゴールを考えて、お金や想いなどを整理する終活がとても役に立ちます。マルチステージを意識した人生設計を考えるためにも終活をぜひご活用ください。

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