デレゲーション。
私は、ルートの営業職です。すでに取引をしている顧客を回り、顧客のニーズや、課題を解決することで信頼関係を構築し、シェアアップや、アップセルに繋げるといったことが主な仕事です(3月までですが)。
そこそこの大手企業なので、それなりに分業化が進み、『働き方改革』で、時間の制約もありますので・・・。
『営業は外に出るのが仕事なんだから、見積や問い合わせは、専門部署に任せて外に出ろ。』
という風に言われます。・・・コロナ禍なので、ゴリゴリは言われませんが。
誰かに仕事を任せる。いわゆる『デレゲーション』というやつですね。
・・・デレゲーションについては、この本に詳しく書いてあります。良ければ。(数少ない、何度も読んだ本の中の1冊です)。
私は、比較的『デレゲーション』が苦手です。
理由は、
『自分でやった方が早い』・『自分がコントロールできない所に、物事が行くのが嫌い』
という事もありますが、
『自分でやった方が、相手に与える説得力が強い』
と考えているからです。
訪問=売上?
営業の仕事は、
『売り上げを上げる事です。』
『外に出る=訪問』は、手段であって、目的ではありません。
データでは、『訪問と売上には、相関関係が無い』と、出る事が多いです。それなのに、定量化できる管理項目だからという理由で、
『訪問=売上』
の都市伝説を信仰しておられる人々が、非常に多い気がします。
・・・コロナ禍の今ですら。です。
何度も会っていると、情が移って、好意を持たれる。『ザイアンスの法則』という法則があります。『100件訪問して来い。』と言われる方々の考えはこれに準拠したものだと思います。しかしながら、単純にお客様との接触を増やすだけなら、『電話』でもいい。ましてや現在は、『ZOOM』や『YouTube』といった媒体だってある。
深夜まで働くことが、美徳とされた時代ならともかく、移動、特に車で移動するのに使う時間は、無駄しかない。考え直すべきです。
『わかる』と『できる』。
話がそれました。私がなぜ仕事を、『自分でするか』です。
例えば、『オーダーメードで何かを作る』、という見積もりを提案する際、他人に丸投げして返ってきた見積で、説得力のあるプレゼンができるでしょうか?提出先に細かい質問をされたら、詳細まで答える事が出来ますか?
『見積は専門部署がしてるので、詳細はわからない』
などと言おうものなら、言われた提出先は、あなたから、物を買いたいと思うでしょうか?
学習のステップは
『知っている』⇒『わかる』⇒『できる』⇒『教えられる』
という順番を踏む、と言われていますが、『知っている』。『わかる』では相手の心に伝わるアウトプットは難しいように思います。だから私は自分でするのです。
『その方が成果につながりやすいから』。
それでも頼む時は。
かといって、『限られた時間』で、1から10までを、自分でこなす事は難しいです。なので、物を頼む際は、頼む相手のレベルや、性格を考考慮しながら、、
『ゴールを明確にして』、『自分ならこうやってそのゴールにたどり着く』。
といった、プロセスまで例示するようにしています。設計図を書いて、製作工程もイメージできた状態で、『製作だけ』を、外注に出すようなイメージです。これで製作の時間は省けますし、頼んだ結果が、思い描いた物と大きく違うことも少ない。
また頼んだ時点で『自分のもの』になっているので、説得力のあるアウトプットが出来ます。
敗者のゲーム
『敗者のゲーム』という本があります。株式投資の本ですが、『プロテニスプレーヤーは、コートの隅に正確に打ち込めないとゲームに勝てないが、アマチュアは打ち返すことがうまければ、相手がミスして勝てる』という、『負けなければ勝てる。』といった趣旨のことが書いてあります。
ルート営業は、『敗者のゲーム』戦法で勝てる分野だと考えています。新規専門の営業や、1発勝負の企画プレゼンなどとは違い、ルート営業は、顧客の依頼に、しっかりとした精度で答えていれば、それなりの結果がついてきます。その上で、新しい企画やアイデアを、積み上げていくべきで、逆では絶対にないと思っています。
『働き方改革』・『DX』いった言葉に踊らされて、効率を重視するあまり、手段が目的化されたりしていますが、本来の目的を見失わないようにしたいものです。
・・・今から退職までは丸投げ。効率100%で行きますが。